税額シミュレーション


給与所得者の税金とふるさと納税

 私ども税理士事務所では1円単位で端数処理をして税額を計算するのが常ですが、日常生活においてそこまで把握する必要性はないはずです。「だいたい納める税金は〇〇万円くらい...」と分かれば十分でしょう。

 このコーナーでは給与所得者(年収1,500万円までに限る)が納めるであろう年間の税金(復興特別所得税を除く所得税と住民税の所得割額)とふるさと納税の目安を簡単にシミュレーションできます。細かい差異は無視して概算額の把握に利用してください。

 給与所得および退職所得以外の所得金額の合計額が20万円以下の給与所得者は確定申告不要ですが、ふるさと納税を適用したい場合には原則として確定申告を要します。確定申告ではすべての所得を申告するため、給与以外に雑所得などがある場合は「その他所得」に入力してください。

 本シミュレーションでは給与収入の14.8%を社会保険料(給与天引き)として自動計算します。社会保険料のほかにiDeCoなどに加入している方は「その他控除」に支払額を入力してください。

 ふるさと納税の目安については、自治体による税率の違いや医療費控除・住宅ローン控除の適用などで、実際の控除額が本シミュレーションの計算結果と大きく異なる場合もあるため、あくまで参考値としてお使いください。

 


中小企業の実効税率

 実効税率とは実質的な税金の負担率を意味し、税額を単純に所得で割った表面税率と異なります。これを数式で表すと次の通りです。

  実効税率=(法人税率×(1+地方法人税率+住民税率)+事業税率)÷(1+事業税率)

 所得×実効税率で実質負担税額が分かります。法人税等は累進税率のため、所得が上がるにつれて実効税率も上昇します。ここではごく一般的な中小企業の実効税率を所得6,000万円までシミュレーションできます。

 実効税率には'所得の壁'が存在し、特に所得5,000万円の壁が大きいです。所得5,000万円と5,001万円とでは実質負担税額の差が8万円以上もあるため、その境目で経費を1万円増やしてもおつりがくる計算です。もっとも、決算期に正確な所得を予測することは至難の業ですからあくまで結果論です。

【シミュレーションの前提条件】2025年1月時点の資本金1億円以下の法人(住民税は愛知県および名古屋市の税率を採用する)


退職所得の税金

 給与所得や事業所得など一般的な所得は1年単位で課税計算をしますが、退職所得は複数年にわたる勤続期間を考慮して計算する特殊な所得です。本シミュレーションでは、就職年月日と退職年月日、ならびに退職金の額を入力することでおおよその税金を計算できます。退職金は他の所得と切り離して単独で税額が確定します。また、退職金の納税は支払者が源泉徴収により代理して納付することで完結します。納付先は国税庁と市区町村です。

 2か所以上から退職金をもらう場合など特殊な状況には対応していません。また、役員退職金の場合は在任年数などにより法人の損金算入の可否について別途検討する必要があります。復興特別所得税についても省略していますのでご了承ください。