第138号


令和7年1月発行

謹賀新年

 

明けましておめでとうございます。

皆様におかれましては、健やかに新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。

2025年の干支は年です。巳年は、成長と変化の象徴とされ、特に「転換の年」や「物事が大きく進展する年」として知られています。巳は蛇を象徴し、脱皮による再生や変化の意味を持つため、古くから巳年には新しい可能性が開ける年と信じられています。お客様企業が、大きな発展や飛躍をもたらす一年になることを心より祈念いたします。

岡部会計事務所は、今年も「お客様の発展・繁栄に貢献する総合的な会計事務所」を目指して、職員一同精一杯努めて参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。

皆様のご多幸とご健勝を祈念申し上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

 


年金積立制度

  • 従業員の退職金、自身の老後の年金として最近話題となっている年金制度を紹介します。

1.確定拠出年金

1)個人型確定拠出年金(iDeCo

  • 毎月、自身で将来の退職金として投資信託などに拠出するものです。2025年度の税制改正で企業年金がない場合の限度額の上限引き上げが2.3万円から6.2万円へと検討されています。

メリット

拠出した金額が所得控除となる。

運用益が非課税となる。

受け取り時に退職所得控除等の控除がある。

デメリット

原則60歳まで引き出し不可(加入期間が短いと5年経過後)

加入時・運用時に手数料がかかる。

運用次第で元本割れの可能性がある。

2)企業型確定拠出年金(DC

 事業主が従業員の企業年金として拠出します。従業員が上乗せして拠出することもできます。また企業型確定拠出年金の一種である選択制企業型確定拠出年金は、従業員が給与の一部を「将来の年金資産形成」に充てるか、「現在の収入」として受け取るかを選択できる制度です。

  • 拠出した金額は従業員に帰属します。
  • 掛金は1,000円からDCのみに加入の場合は5.5万円、DB(次項参照)と併用の場合は2.75万円が上限となります。

     

メリット

従業員

iDeCoのメリットに加え

選択制を採用した場合、拠出後の給与金額で月額報酬を計算するため、社会保険料が減額できる場合がある。

事業主

年金として拠出した金額は全額損金となる

選択制を採用した場合は社会保険料が減額できる場合がある。

デメリット

従業員

iDeCoのデメリットに加え

運用管理機関を事業主が選ぶため、従業員が運用したい商品がない場合がある。

選択制により社会保険料を減額した場合、将来の年金が減る場合がある。

事業主

管理手数料などの事業主負担が発生する。

2.確定給付企業年金制度(DB

 企業が従業員に対して約束した退職金を払うために定期的に掛金を積み立てて、資産の運用を行います。社員が退職したときは積立金から支払いを行います。企業型DCと同じくこちらも選択制が存在し、従業員が給与の一部を「将来の年金資産形成」に充てるか、「現在の収入」として受け取るかを選択できる制度があります。

 掛金は1,000円から基本給の20%(上限40万円)となります。

メリット

従業員

選択制を採用した場合拠出後の金額で社会保険料を計算するため、社会保険料が減額できる場合がある。

元本保証

受け取り時に退職所得控除等の控除がある。

事業主

年金として拠出した金額は全額損金となる

選択制を採用した場合は社会保険料が減額できる場合がある。

デメリット

従業員

選択制により社会保険料を減額した場合、将来の年金が減る場合がある。

運用益が低い

事業主

管理手数料などの事業主負担が発生する。

元本割れした場合、事業主が不足分を負担する

3.中小企業退職金共済制度(中退共)

 企業が従業員の退職金として中退共に拠出します。従業員の退職時は中退共から直接退職金が支払われます。掛金は5,000円から上限3万円となります。

メリット

国が掛金の一部を助成

掛金は全額損金となる

デメリット

退職理由にかかわらず退職金が支給される

どの制度も特色がありますので、導入の際は自社の状況にあわせてご検討ください。


納税環境の変化

●はじめに

  令和6年の5月ごろから法人税・地方法人税ならびに消費税(中間消費税を除く)の納付書が税務署から届かなくなりました。国税庁の経費削減が目的と思われますが、突然の変更に戸惑われた方も多いはずです。弊所でもたびたび所轄税務署に納付書を取りに行く必要が生じました。

  •  国が半ば強引に電子納税を推奨するのと同時に、金融機関も効率化を進めているので、お客様と接する営業マンの減少や支店の閉鎖などで資金決済の環境は悪化しています。したがって、以下に説明するオンライン納付の方法を徐々に検討せざるを得ません。

●インターネットバンキング(Pay-easy

 金融機関のホームページにログインしてメニューの中からペイジー(税金・各種払込)へ進みます。納付書に記載のある番号を入力することで即時に支払えます。支払期日と金額が明示されている以下のような支払いで、納付書にペイジーのマーク(QRコードやeL番号などを含む)があれば24時間利用できます。

 ◇中間消費税  ◇個人住民税  ◇固定資産税  ◇不動産取得税  ◇自動車税  ◇軽自動車税  ◇社会保険料

下記の税目のように、そもそもペイジーに対応していない納付書や、納税者に複雑な操作が求められるような場合は、Pay-easyの利用が難しくなります。

 ◆法人税・地方法人税  ◆法人住民税・事業税  ◆確定消費税  ◆源泉所得税  ◆申告所得税  ◆事業所税

例えば、中間消費税の納付書の左下部分には次のような表示があります。

  • このように国税のペイジー支払いではe-Taxの利用が前提となっています。もちろん、弊所が関与するほぼすべてのお客様の申告業務はe-Taxにより行われています。

●国税ダイレクト納付

  個人の所得税や消費税では口座振替を事前に届け出ることで対応できます。しかし、法人の場合は申告期限までに納める必要があるので同じようにはいきません。そのため、国税の納税はe-Taxと連動する特別な納付方法が用意されています。

  • 国税ダイレクト納付を開始するには、電子納税依頼書に金融機関の確認印をもらって所轄税務署に提出します。その後、1ヶ月程度でダイレクト納付の登録が完了します。

●地方税ダイレクト納付

  •  地方税の電子申告はeL-Tax(エルタックス)といいます。こちらも弊所が利用開始届を提出しているのですぐに利用できます(利用時間8:3024:00)。eL-TaxのPCdesk WEB版のサイト(https://www.portal.eltax.lta.go.jp/apa/web)IDとパスワードを入力してログインします。メインメニューから納税メニューに進み、口座情報等を入力して口座振替依頼書を作成します。これに社判や銀行届出印を押して指定場所へ郵送します。1カ月程度でメッセージ一覧に登録完了通知がきます。

eL-Taxポータルサイト

●終わりに

 オンラインで資金決済をする前に、パソコンなどのセキュリティー対策を万全にしましょう。パスワードの管理やウィルス対策ソフトの導入などを検討してください。時代の流れに抗うことなく、お客様の納税のオンライン化をサポートさせていただきます。