人生100年時代を見据えた税理士事務所の業務
今年は団塊の世代が約2,200万人を超え、国民の4人に1人が75歳以上という、超高齢社会に突入します。現在75歳の平均余命は、女性が15.67年、男性が12.04年であり、「人生100年時代」が現実となっています。このような状況下で、将来に不安を抱く相談者が増えていくことが予想されます。
税理士事務所は、「人生100年時代」を見据えた業務として、財産管理等を目的とした民事信託や身上保護を念頭にした任意後見、円滑な相続のための遺言書の作成及び相続税申告などに対応することができます。法人においても、高齢化に伴う事業承継問題に対して、税制や生命保険を活用した事業承継およびM&Aなどの業務に対応することができます。
岡部会計は、これらの業務について、他士業や金融機関等とのコーディネーターとして、総合的に付加価値の高い業務を行っていきたいと思います。
「2025年、中小企業の経営課題を5つ、500から600文字で教えて。」
ChatGPT
1. 人材不足と多様な働き方への対応
少子高齢化や労働力人口の減少が進む中、特に中小企業にとって人材の確保は最大の課題です。優秀な人材を獲得する競争が激化する中、フレックスタイムやリモートワークなど柔軟な働き方の導入が求められています。また、多様な人材活用(高齢者や外国人労働者など)を進めることや、社員のスキルアップ・キャリア開発に力を入れることが不可欠です。限られた人数で効率よく働ける環境を整えることが、企業の成長に直結します。
2. デジタル化・IT化の遅れ
デジタルトランスフォーメーション(DX)の遅れは、競争力を失う要因となり得ます。中小企業においては、IT導入に対するコストや技術面でのハードルが高く、DXが進みにくい現状があります。しかし、業務効率化、顧客サービスの向上、そしてデータ活用など、デジタル化を進めることは避けて通れません。クラウドサービスやAI技術の導入、さらにはECサイトやSNSを駆使したマーケティングなどを積極的に取り入れることで、業務の効率化と売上増加を図ることが可能です。
3. 資金調達の難しさ
中小企業が直面するもう一つの大きな課題は、安定した資金調達の難しさです。銀行融資は審査が厳しく、特に新興企業やスタートアップにとっては資金繰りが困難な場合が多いです。経営者は、従来の金融機関への依存から脱却し、クラウドファンディングやベンチャーキャピタルを活用する方法を模索する必要があります。また、キャッシュフローの管理を徹底し、資金の効率的な運用を心がけることも求められます。
4. ESG(環境・社会・ガバナンス)への対応
環境意識が高まり、企業の社会的責任(CSR)が重視される時代になりました。中小企業でも、環境負荷の低減、社会貢献活動、ガバナンス強化などのESGへの取り組みが求められています。これにより、消費者や取引先からの信頼を得るとともに、持続可能な企業経営が実現できます。しかし、ESGへの取り組みはコストがかかることもあるため、限られたリソースでどのように実行するかが大きな課題となります。
5. グローバル化と競争の激化
世界市場の競争がますます激しくなる中で、中小企業もグローバル化に対応する必要があります。輸出や海外市場への進出を検討する企業も増えていますが、言語や文化、法律面での壁が立ちはだかります。また、コスト競争力を維持しつつ、品質やサービスの向上も必要です。海外市場に適した商品開発や現地ニーズに応じた戦略を立てることが、成功のカギを握ります。これらの課題に適切に対応することで、中小企業は持続的な成長を目指し、競争力を高めることができます。
以上はChatGPTの回答を一部省略したものです。
ChatGPT等のAIチャットポッドはネットワーク上に存在する既存の情報をもとに回答されます。そのため創造性やオリジナリティには制限があり個々の状況に適した解決策やアイデアを提供するのには限界があります。前述の回答でも一般的に言われていることをそれっぽくまとめたように感じる面もあります。誤った情報や古い情報、誤解を招くような回答の場合もあります。100%信じるのではなく情報の正確性に注意することもAIと共存していくうえで大切です。
既に業務の中でChatGPT等のAIを活用している方もいらっしゃいます。弊社でも一部業務においてAIを活用し業務の効率化を図っています。
ChatGPTが言うように人材不足、DXの遅れは日々顧問先の皆様との会話の中でよく意識させられる内容です。なかなか直接的な解決方法を提示することは難しいですが、私たちは顧問先の皆様の課題を共有し、個々の状況に適した解決策やアイデアを考え提供していくことが求められていると感じます。
令和7年 税制改正大綱
令和6年12月20日に「令和7年 税制改正大綱」が自民党・公明党により発表されました。今後、これをもとに国会での審議が行われますが、基本的には税制改正大綱の内容がこのまま採択されると思われます。多岐にわたる項目の改正案が記載されていますが、今回は個人所得課税の改正点について紹介します。
①基礎控除の引き上げ
令和7年分以後の所得税から、合計所得金額が2,350万円以下である個人に関しては、所得税の基礎控除の金額が10万円アップし、58万円となります。この結果、令和7年以後の所得税の基礎控除額は以下の金額となる見込みです。
納税者本人の合計所得金額 |
現行の控除額 |
令和7年分からの控除額 |
2,350万円以下 |
48万円 |
58万円 |
2,350万円超2,400万円以下 |
48万円 |
48万円 |
2,400万円超2,450万円以下 |
32万円 |
32万円 |
2,450万円超2,500万円以下 |
16万円 |
16万円 |
2,500万円超 |
0円 |
0円 |
②給与所得控除の引き上げ
令和7年分以後の所得税から、給与所得控除額について、最低保障額の金額(給与等の収入金額が162万5千円以下の方)が10万円アップし、65万円になる見込みです。
①②の引き上げにより、給与収入のみの場合で所得税がかからないラインは123万円に引き上げられる予定です。
③他の所得要件の見直し
基礎控除等の改正に伴い、他の制度の合計所得金額の判定基準も緩和されることになりました。一覧にすると以下の通りです。
関連する制度 |
現行 |
令和7年分以降 |
配偶者控除、扶養控除 |
48万円 |
58万円 |
ひとり親控除 |
48万円 |
58万円 |
勤労学生控除 |
75万円 |
85万円 |
④特定親族特別控除の新設
令和7年分以後の所得税から、同一生計の19歳以上23歳未満の親族等で、控除対象扶養親族に該当しないものを有する場合には、特定親族特別控除が適用されることになりました。つまり、大学生世代の子ども等がいる方の控除に関して改正が入りました。控除額は、その親族等の合計所得金額によって、以下のように段階的に変わります。
親族等の合計所得金額 |
控除額 |
親族等の合計所得金額 |
控除額 |
58万円超 85万円以下 |
63万円 |
105万円超 110万円以下 |
21万円 |
85万円超 90万円以下 |
61万円 |
110万円超 115万円以下 |
11万円 |
90万円超 95万円以下 |
51万円 |
115万円超 120万円以下 |
6万円 |
95万円超 100万円以下 |
41万円 |
120万円超 123万円以下 |
3万円 |
100万円超 105万円以下 |
31万円 |
123万円超 |
0円 |
⑤生命保険料控除
子育て世帯に対する生命保険料控除の拡充措置が、令和8年から実施される予 定です。23歳未満の扶養親族を有する方については、一般生命保険料控除の控除額の上限が4万円から6万円に引き上げられます。ただし、一般生命保険料控除、介護医療保険料控除及び個人年金保険料控除の合計適用限度額は、従来通り12万円のままとなります。すでに3種類の生命保険料控除を利用して合計12万円の上限まで控除している場合には、これ以上控除額は増えないため注意しましょう。
⑥確定拠出年金の拡充
老後の資産形成を後押しするために、確定拠出年金制度(iDeCoおよび企業型DC)の拡充が盛り込まれました。以下のように、拠出限度額の引き上げが行われます。
確定拠出年金 |
改正前 |
改正後 |
企業型DC |
5.5万円 |
6.2万円 |
iDeCo(第一号被保険者) |
6.8万円 |
7.5万円 |
iDeCo(企業年金加入者) |
2万円 |
6.2万円‐他の掛金 |
iDeCo(企業年金未加入者) |
2.3万円 |
6.2万円 |
現行の年収の壁は約30年にわたって見直されずにきたので、その壁が動いたことは大きな変化です。国民民主党は178万円までの引き上げを要求しており、さらに年収の壁が引き上げられることを期待して、今後の動向にも注目しましょう。